【書評】『日本に殺されず 幸せに生きる方法』 日本人に本当に必要なものは?
日本に殺されず幸せに生きる方法 [ 谷本真由美 ]
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いきなり大きなタイトルをつけてしまいました(汗)
読んだ本の感想です。
twitter等で情報発信をしていらっしゃるMay_Romaさんこと谷本真由美さんの書かれた『日本に殺されず幸せに生きる方法』というショッキングなタイトルの本を読みました。
谷本さん自身は海外での生活もお仕事歴も長く、日本の問題点を外からの視点で鋭く突いてきてくれます。
この本では日本の労働時間の長さについて取り上げています。
狂気の沙汰カローシ
カローシとは「過労死」です。
働きすぎて死ぬなんて、先進国では考えられないのです。
だから言葉が存在せず、日本語がそのまま英語になってしまっています。
日本ではいわゆる一流企業こそが長時間労働をしていると指摘しています。
なぜ長時間働くの?
そしてそれは日本人に強い同調圧力や、きめ細やかなサービス精神からくるものだということです。
同調圧力はよくある「付き合い残業」などですね。
他人が働いてるのに自分だけ帰れない・・・ってやつです。
もうひとつは、一見良いことのように思えるサービス精神からです。
このサービス精神が(言い方は悪いですが)お客をつけあがらせ、さらに労働を煩雑にしてしまっているのです。
お客の要求に応えるべく、仕事の手順が増え、長時間労働につながっているというのです。
とても納得ができました。
本当に必要なの?
日本ではあちこちに24時間のサービスがあります。
ひとり当たり1000円足らずでご飯が食べられる庶民的なレストランでも、とても丁寧なサービスがついてきます。
お客様は神様だというのがまかり通っているのです。
しかし実際、その値段でお客様に全く失礼がないようにしようと思えば、 低賃金の従業員の労働が増えるばかりになります。
本来なら満足のいくサービスを受けたいのなら高級レストランに行けば良いのです。
24時間開いているお店も本当に必要かと言われれば、じつはそんなことありません。
薬などを除けば、食料品や日用品の買い物は店が開いている時間に済ませておけば良いだけです。
いまの状態は、自分たちが払ったお金の割には過剰なサービスを受けているのだということを自覚しようということです。
そして、「そこまでのサービスはしなくていいですよ」と言ってあげる。
もちろん、自分の方の手間が少し増えたりもしますが、そこは安いサービスを使っているのなら値段相応だと思おうということです。
1人1人個人から変わるという解決策
本の中では解決策として、個人でできることを書いています。
むしろ、個人からではないと変われないと書いています。
理由は、
・他人を変えるのは無理
・「人間が考えた仕組み」を変えるのはとても大変
・世の中の大半の人は、変わらないものや安定していることを好む
という理由からです。
例えば先ほどの例のように、自分がちょっと工夫をして、お店の開いている時間に買い物を済ませればよいのです。
具体的にはこうなろう
・仕事が嫌なら逃げよう
・自分に合う職場は必ずある
・批判を恐れるな、同調圧力に勝て。
という内容です。
他人と違うのって、怖いですよね。
何かをいわれてしまうのではないかと・・・。
同調圧力の強い日本(特に女性)では、自分と同じと思っている人が、うまくいって上のレベルに行くのは面白くないから足を引っ張ろうとしているだけ、ということが多々あると指摘しています。
つまり、あなたが何かを言われたとして、あなたに何か言った人は、自分のためもしくは適当に思いついたことを言っているということです。
同調圧力に負けず、自分に合った仕事を探し、お金について学ぶということを勧められています。(お金についてはこの記事ではふれません)
日本は住みにくいのか?
「日本を生きづらい国にしている原因は私たち一人一人にある。」
日本は住みやすいとわたしは勝手に思ってきました。
でもそれはサービスを受ける側においてという意味においてですね。
わたしは海外の事情はあまり詳しくありませんが、確かに他国に比べて外食などのサービスは良いものが安く、物価も比較的安いと聞きましたから。
働くことにおいては日本は厳しいのですね。
働くことを喜びとしてきた日本人。
労働は罰だという世界基準からすると、働くということに喜びを見出せる日本人は素晴らしいと思うのですが・・・。
それを安く買いたたかれるようでは困りますね。
まとめ
素晴らしい価値観はそのままに、でも、
・イヤなことはイヤだと言おう。
・誰かに何を言われても、その人はあなたのためを思っているわけではないのだから。
我が道を行く勇気を持ちます。
おしまい