【書評】北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方
北欧スウェーデン・・・なんだか幸せな響きが勝手にします。
表紙を見た第一印象は、憧れの北欧の生活の中で、小さな幸せを探そうというふわふわした本という感じなのでは?
しかし内容は違ったのです。
心が疲れやすい人・身近な人が苦しんでいる人へ
あるスウェーデン人の夫婦が、うつ病から立ち直った物語だったのです。
正直、内容はどこかで聞いたことがあるようなお話も混ざってますが、当事者の経験談は重みがあります。
驚きのスウェーデンの実情
日本人はまじめすぎるところがあって鬱も多いと聞きます。
でも、スウェーデンなんて、住んで居るだけで幸せなんじゃないの?
(スウェーデンのことはほとんど知りません。ふんわりと幸せそうな福祉国家・・・くらいのイメージで書いてます)
なあんて偏見も持ってたわたしには驚きの内容が書いてありました。
なんと、スウェーデンでは国民の4人中3人が自分もしくは家族の心の病を経験したことがあるそうなのです!
まじめでいつも何かにかりたてられていて、自分が自分でいる感じがわからない・・・という夫婦が鬱になり、病院や薬の助けをかりて立ち直っていくのですが、内容がリアル!
感情の小さな揺れを徹底的に見つめて、そのままの自分がどう感じているかをまず認識することから始めていったのです。
早期に専門家を頼ることの大切さ
そして、いま現在苦しい人、苦しんでいる人の身近な人には次のような箇所があります。
歯が痛ければためらわずに歯医者に行き、車の調子が悪ければ修理工場へ持っていくのを恥ずかしく思うことはありません。それなのに、心の不調となると、助けを求めるのをためらったり恥ずかしがったりします。
選択の余地がなくなってしまうまで放っておいてはいけません。手遅れになる前に、今すぐ助けを求めて下さい。
出典元:北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方
わたしの勝手な偏見がくずれていく・・・。
日本ではいまも精神科やカウンセラーにかかるのは抵抗がある、という人が多そう。
でも、スウェーデンでもそうなんですね。
やはり皆話したがらないので、心が辛い時にどこに助けを求めていいのかがわからないのが問題だということです。
専門家に頼ったうえで、自分なりのリラックスタイムをしっかりとる。
例えば、しっかり眠る。
そのためにはテレビやスマホを減らす。
家事もみんなでやって、時間を減らす。
心配ばかりしているのなら、時間を決めて心配する。その時間以外はしない。
適度な運動をする。
・・・
ここらへんはよくいわれていることですね。
完璧なんてありえない
完璧を目指すのではなく、公平でも完璧でもないこの世の中で 、なるべくいい気分でいる、なるべく自分に満足できることを目指すべきです。
出典元:北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方
言葉にされるとハッとします。
完璧な状態なんてあるわけないし、心配が全くなくなる日も来ない。
中途半端でも自分がいいなと思えばもういいし、
全部を自分がひとりで背負う必要もない。
そうなんですよね。
ここらへんのこと、私たちは教育として
「ひとりで頑張れ!」
「人の事までやってあげたらエライ!」
なんて刷り込みをされているかも。
弱みを見せるということ
実は弱みを見せるというのは強みだというのです。
弱みがあるのは悪いことではなく、当然。
弱みのとらえ方が問題なのです。
人は自分の弱みを見せたがらないものです。誰も弱音なんてあげたくありません。 ただ自分の状況を正直に話すことと弱音を吐くことは全く別なのです。~ 中略~ 自分自身の自分の経験について思い切って話すとポジティブなエネルギーが無限に帰ってくるのです。
出典元:北欧スウェーデン式 自分を大切にする生き方
このご夫婦は、この考え方で講演をしてまわったり、この本を書いたりしました。
お陰で、たくさんの人が救われました。
細かい心の動きまでしっかりかいてある本です。
心が弱っているときも、そうでない時もおススメです。
まとめ
・心が疲れているときは、専門家を頼ること。歯医者に行くのと同じ。
・完璧なんてありえない。そもそも不完全が普通。自分の満足が尺度。
・弱みを見せるのは実は強み。