【書評】親孝行できるかな? たかぎなおこ著
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たかぎなおこさんのコミックエッセイが好きです。
やさしい絵で、ほろりとするところもあります。
親も年とってまいりましたコミックエッセイというのがこの本のサブタイトルです。
これにひかれてしまいました。
こんな人におススメ!
親が70才前後の方。
親がまだ元気とはいえ、年をとってきたなぁ・・・と思ったことのある方に響く内容です。
このご両親は元気ですので、介護とかそういう話ではありません。
全体的にのんびりしたトーンで、両親との旅行のことが主に書かれています。
著者のたかぎなおこさんは三重県から上京し、イラストレーターになります。
そして改めて、年をとってきた実家の両親とのことを書いています。
帰省時のあるある
テレビで60代の俳優さんの訃報をしったたかぎさん。
急に実家の70代のお父さんのことが心配になり、電話をかけます。
優しいですね。
そして、その後実家に帰ると・・・
「会うたびにちょっとおじいちゃん化が進んでるような気がします」
やはり、たまに会うと変化がわかりますよね。
ちょっと心配になるたかぎさんです。
3人の子ども達(たかぎさんとその兄弟)も巣立ち、両親二人が暮らす実家。
ひっそりと物も少なくシンプルに暮らしているかと思いきや・・・。
テレビショッピングで買った家電や、録画したDVDが山積み。
ごちゃごちゃとモノを溜め込み、しかも整理をしないということで、たかぎさんは帰省のたびにキレてしまうそうです。
ここらへん、なんかわかります(笑)
ここから少しわたしの話です。
わたしも自分の家もまだまだですが、ひとのうちのアラはよく見えるというか(笑)
両親の溜め込むワケの分からないものや、すごーく古いもの(大事にしてるのでもなく、ただずっと置いてるもの)とか見ると、捨ててしまいたいです。
しかも、あの家、もう両親2人のものしかないはずなのですが・・・。
わたしが実家を出たときには、わたしの残したものはダンボール(小さめのミカン箱)1箱にまとめて押入れに入れておきました。
後日、わたしに食べ物などを送ってきてくれたときに、そのダンボールを使っていたので驚きました。
実家に帰ったときに確認したら、わたしの残したものはもうありませんでした。
さらりと捨てられていたのです。
つまり、あの家にはわたしのものがいっさい無いのです。
なのにまだまだものが多い!
どうやって暮らしていたのでしょう?
実家とは不思議なところですね・・・。
ある意味ブラックホールです。
親の上京時のあるある
お父さんが単身上京してきたたかぎさん。
以前喜んだお店(に似たところ)に連れて行ってあげて喜ばせようとするのですが、うまくいきません。
メインの料理ではない副菜を絶賛したり、観光地では無反応。
しかし、フラッと入ったコーヒーショップに大はしゃぎ・・・。
お父さんの気ままな喜びポイントに振り回されます。
こういうのって、ハタから見てると面白いのですが、当事者はけっこうイライラしたりします(笑)
お父さんかわいいですね。
それにしても仲の良い父娘です。
年月を経て、昔行った観光地をもう一度訪れる楽しみ
子どものころに連れてきてもらった神社への旅行を計画します。
幼少期にはいやだったというたかぎさん。
子どもって、たしかに神社とか喜びませんよね(笑)
ホント、よくわかります。
わたし自身も、幼いころの神社の思い出って・・・売店で何か買ってもらうくらいしか楽しみが無く、ひたすら歩かされたような・・・。
いま、うちの子ども達も同じ感じです。
お互いに大人になり神社のよさが分かるようになると、ほんとうに楽しめそうですね。
これ、今度やってみようっと。
親も年とってまいりましたコミックエッセイという言葉に反応してしまった全ての方に
先ほども書きましたが、親も年とってまいりましたコミックエッセイというのがこの本のサブタイトルです。
本の最後は、東京の公園でお花見をしながら
「何が親孝行なのかもよくわからないけど、これからもたくさん2人の笑顔が見られますように」
という文で締めくくられています。
でも、この本の中のたかぎさんは間違いなく親孝行をしています。
「笑顔」がポイントですね。
普段は「便りがないのがいい便り」かも知れません。
でも、疎遠にしている人も、たまには親に連絡をとってみようと思わせてくれる本です。
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