【書評】秘島図鑑 清水浩史 日本人が行けない日本の島 行けないロマン
秘島図鑑 [ 清水浩史 ]
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これを読んで、旅ごころを刺激されたい!
しかも行けない島なんて、なんだかファンタジー!
そう思いましたが、内容は深く、じっくり読みこんでしまいました。
こんな人におススメ
旅に出たい気分のとき。
ちょっと現実逃避したい気分のときに。
旅なら、ちょっと変わったところに行きたいという方。
「るるぶ」じゃもの足りない方(笑)。
あと、軽くそれぞれの島の歴史も紹介されています。そういうお話好きな方に。
ロマンあふれる秘島の定義
秘島は「ひとう」と読みます。
・リモート間(遠く離れた感)がある(絶海の遠隔感)
・孤島感がある(比較的小さな面積で、周囲に陸地や島がない)
・もの言いたげな佇まい(島の姿・形が個性的なもの)
・行けない。島へのアクセスがない(一般の公共交通機関がない)
・住民がいない(島に住所を有する人・住民票置いてる人がいない)
・知られざる歴史を秘めている(忘れてはいけない小さな島の物語)
これらの要素のいずれかまたはすべてを含むものを秘島としています。
厳しい自然と人間
漂流物語ナンバーワンとされている鳥島。
ジョン万次郎が流れ着いた島として有名です。
ちなみに、ジョン万次郎とは江戸後期の土佐の漁師です。漁の途中で難破し、鳥島に流れ着いたあと、5ヶ月ほど生きながらえ、アメリカの船に助けられました。そのままアメリカに渡り、後年帰国し幕末の日米交渉で活躍しました。
それ以外にも実は漂流してこの島に流れ着き12年間に生きながらえて生還した例もあるそうです。
この島、一時期は人が定住もしたらしいのですが、噴火により全員が死亡という恐ろしい歴史もあるのです。
噴火活動真っ盛りの西ノ島も載っています。もちろん人は入れません。
島をめぐる人間の欲望の話
開発のため ズタズタになってしまった馬毛島。
領海の問題のため、工事が繰り返される沖の鳥島など。
人間の欲望の歴史を垣間見ることもできます
正直もうちょっとお気楽な読み物として手に取ったつもりだったのですが、なかなか深いです。
わたしの感動ポイント
個人的にスゴイと思ったのはこれ!!
孀婦岩(そうふいわ)という名前だそうです。
これは何と標高99メートル!
これが大海原に突然立っているのです!
それだけでも驚くのですが、さらにすごいことにこの岩の頂上にはハーケン(登山クライミングで使う金具)が打ち込まれているそうです。
のぼった人がいるということ・・・。
すごい・・・すごすぎる・・・。
最後に
広さというか奥深さというか・・・そういうものを感じさせる本でした。
いまわたしは、NHKの小笠原の自然を特集した番組を繰り返し見てしまっています。
いきたいところナンバーワンになってしまいました。
旅情をかきたてられます。
おススメです。
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